セロリの漬物を極上の仕上がりに導くためには、調味液に漬ける前の下処理が味の完成度を左右します。ただし、自己流の過剰な下ごしらえは、かえって食感を損なう原因にもなりかねません。現場の料理人が実践する合理的な手順を押さえましょう。
まず見直すべきは「筋取りの深さ」です。セロリの外側にある太い筋は、噛み切れない繊維感の原因になりますが、ピーラーで全体を削り落としすぎるのは厳禁です。旨味の詰まった外側の果肉まで削ぎ落としてしまい、水っぽい仕上がりになってしまうためです。
正しい筋取りは、茎の根元に包丁の刃を浅く当て、親指で筋を挟んで葉の方向へスッと引き抜くだけで十分です。包丁を使わない場合は、茎をポキッと外側に折ってそのまま引っ張るだけでも太い筋だけを綺麗に除去できます。内側の柔らかい茎であれば、筋取り自体を省略しても問題ありません。
続いて「苦味抜き」の工程です。筋を取ったセロリは、繊維を断ち切るように厚さ5mm〜7mmの斜め薄切り、または味が染み込みやすい乱切りにします。切ったセロリに対して重量比1%〜1.5%の粗塩を振り、軽く揉み込んで10分ほど置きます。じわっと汗をかいたように表面に出てきた水分には、エグみの元が凝縮されています。これをキッチンペーパーでしっかり絞り取ることで、調味液が薄まらず、短時間で芯まで味が決まります。水洗いは風味まで流出してしまうため、絶対に避けてください。