一口に白子と言っても、原料となる魚種によって形状、舌触り、流通時期、そして市場価値は劇的に異なります。日本国内で流通している主要な白子は、大きく分けて「真鱈(マダラ)」「フグ」「助宗鱈(スケトウダラ)」「サケ」の4種類です。
白子の王道として市場を牽引するのが真鱈の白子です。北海道や東北地方ではその形状が菊の花や脳の溝に似ていることから「キク」「タチ」「マダチ」とも呼ばれます。ひだの起伏が深く、大ぶりで濃厚なコクが特徴であり、冬の鍋物やポン酢和えの主役となります。一方、高級割烹で破格の高値を呼ぶのがフグの白子(主にトラフグ)です。真鱈のような複雑なひだはなく、滑らかな俵型をしており、雑味の一切ない純白のクリームのような極上の気品を備えています。
以下の比較表は、市場における主要な白子の特性、旬の時期、および取引価格の傾向を整理したものです。
旬の時期が厳冬期に集中する理由は、春の産卵期に向けて雄の体内で精巣が最も肥大化し、栄養素を過密に蓄え込むためです。初冬(11月頃)の白子はまだ若く透明感がありますが、1月中旬から2月にかけての最盛期には純白に染まり、コクと甘みが頂点に達します。