サウザーがなぜここまで過激に他者を拒絶し、冷血な支配者へと変貌したのか。その核心は、先代・南斗鳳凰拳伝承者である師匠オウガイとの壮絶な過去にあります。孤児だったサウザーを引き取り、厳しくも深い愛情を注いで育て上げたのがオウガイでした。
しかし、一子相伝である南斗鳳凰拳の掟はあまりにも残酷でした。伝承者の資格を得る最終試練において、目隠しをしたサウザーは襲い掛かる刺客を反射的に迎撃し、致命傷を負わせます。目隠しを外したサウザーの目の前に倒れていたのは、他ならぬ最愛の師・オウガイでした。「師を超えることでしか伝承は成し得ない」という掟に従い、オウガイは自らの命を捧げて愛弟子の成長を見届けたのです。
「こんなに苦しいのなら悲しいのなら……愛などいらぬ!!」
師の亡骸を抱きしめながら絶叫したこのセリフこそ、聖帝サウザーの原点です。「愛ゆえに人は苦しまねばならぬ、愛ゆえに人は悲しまねばならぬ」と悟った彼は、二度とあのような絶望を味わわないために、自らの心から「愛」と「情」を完全に封印する防衛機制を選択しました。子供たちを使役して建設を進めた「聖帝十字陵」も、暴政の象徴であると同時に、師匠オウガイの遺体を永遠に安置するための巨大な墓標という哀しい二面性を持っていたのです。