彼女の歩んだ足跡は、同世代のタレントと比較しても極めて濃密であり、ドラマチックな展開の連続でした。改めてその経歴を整理すると、表現者としての類まれな資質と、環境の急変に立ち向かい続けた苦闘が浮き彫りになります。
2015年に欅坂46第1期生オーディションに合格した今泉さんは、平手友梨奈さんと並ぶグループ屈指のボーカル力を誇り、小林由依さんとのユニット「ゆいちゃんず」で多くのファンを獲得しました。しかし体調不良による複数回の一時休養を経て、2018年11月にグループを卒業。当時のブログで綴られた「環境を変えて一歩を踏み出したい」という率直な告白は、アイドル界の過酷な競争とメンタルヘルスについて大きな議論を呼びました。
卒業後はエイベックスに所属し、本格派女優へと転身。2019年には舞台『熱海殺人事件 LAST GENERATION 44』のヒロイン・水野朋子役に抜擢され、つかこうへい作品特有の長台詞と体当たりの演技で批評家筋から「アイドル出身の枠を完全に超越した」と絶賛を浴びました。テレビドラマ『左ききのエレン』など映像作品でも確かな爪痕を残し、順風満帆な女優キャリアを築いていた矢先、人生の大きな転換期を迎えます。