セクゾ名曲Make My Dayの魅力と現在地|黒崎くん主題歌の軌跡

セクゾ名曲Make My Dayの魅力と現在地|黒崎くん主題歌の軌跡

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「Make my day」を語る上で避けて通れないのが、2015年12月のスペシャルドラマ放送、そして2016年2月の全国ロードショーへと展開した中島健人主演作『黒崎くんの言いなりになんてならない』との幸福な共鳴です。原作は累計発行部数数百万人規模を誇るマキノ氏の同名大ヒット少女コミック。中島健人が演じたのは、学園の女子たちから恐れられつつも抗えないカリスマ性を放つ「黒悪魔」こと黒崎晴人でした。

当時、映画やドラマのタイアップといえばシングルA面曲が充てられるのが芸能界の定石でした。しかし本作では、復帰メンバーを迎えた記念碑的シングル『カラフル Eyes』の通常盤カップリングという変則的なパッケージングが採用されました。この配置が功を奏し、公式発表資料や当時の音楽誌インタビューでも「シングル表題曲とは一線を画す、エッジの効いた攻めのロックチューン」としてリスナーの耳に強烈なインパクトを残すことになります。

劇中においてこの楽曲は、単なる背景音楽にとどまりません。ヒロインの日常が強引に塗り替えられていく戸惑いと胸の高鳴りを、アップテンポなギターカッティングと疾走感あふれるビートが極限まで加速させました。映画のクライマックスや予告映像で「浸食されてもいいんじゃない」という中島健人の艶っぽいフレーズが流れた瞬間、劇場の空気は一変。フィクションのキャラクターである「黒崎くん」と、生身のトップアイドル「中島健人」の境界線が溶け合う決定打となったのです。

加藤 愛美
著者

加藤 愛美

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。