気象庁が国家プロジェクトとして総力を挙げて推進する「線状降水帯予測スーパーコンピュータ運用プロジェクト」は、摂津市のような河川密集地帯の防災を劇的に変えつつある。従来は半日前であっても予測が極めて困難だった線状降水帯の発生を、上空の水蒸気流入量や海洋データ、次世代数値予報モデルを統合することで、より早い段階で絞り込めるようになってきた。
このスパコンによる膨大な演算処理は、北摂山系にブロックされて停滞しやすい雨雲群の動きを高精度にシミュレートする。これまで「ゲリラ豪雨」として片付けられていた予測不能な豪雨が、予測可能な気象イベントへとシフトした意味は大きい。前夜の段階で翌朝の線状降水帯発生ポテンシャルを把握できるようになったことで、市民一人ひとりの避難スイッチを入れるタイムラグが大幅に削られている。