正式タイトル『わたしが恋人になれるわけないじゃん、ムリムリ!(※ムリじゃなかった!?)』の通り、本作の真骨頂は読者の予想を裏切り続けるジェットコースターのような構成美にある。これまでの学園ラブコメディといえば、すれ違いの連続やじれったい距離感を楽しむ様式美が主流だった。しかし、本作はその前提を根底から覆す。
告白から始まる関係性、妥協なき価値観の衝突、そして泥臭いまでの自己葛藤。みかみてれん特有のテンポ抜群な会話劇の裏には、現代を生きる若者たちのリアルな孤独と承認欲求が生々しく刻まれている。笑いとシリアスが寸分の狂いもなく同居するこのバランス感覚こそ、読者を惹きつけて離さない最大の魔力だ。