冒頭の「雨が踊るバス・ストップ」というフレーズから一瞬で広がる映画のワンシーンのような情景。この楽曲で描かれているのは、単なる男女の別れ話にとどまらず、誰もが通過する「少年期の終わり」そのものです。
バスの窓越しに遠ざかる彼女と、取り残された僕。打ちつける雨や水たまりといったウェットなモチーフは、主人公の揺れ動く感情と止められない涙を巧みに暗喩しています。大人になりきれないまま突きつけられた残酷な現実の前で、少年のプライドと純粋さが激しく葛藤する様が、研ぎ澄まされた日本語で描き出されています。
松本隆が紡ぎ出した言葉の真骨頂は、傷つきやすさを恥じるのではなく、むしろその脆さこそが青い季節の尊い輝きであると肯定している点にあります。だからこそ、世代を超えて聴くたびに誰もが自らの青春の痛みを思い起こし、強く共振するのです。