ピクサー映画の代名詞ともいえるあのスタンドライト。ファンや一般視聴者の間では「ピクサーランプ」「ピクサー電気スタンド」などと呼ばれることが多いですが、正式なキャラクター名はルクソーJr.(Luxo Jr.)です。
彼が初めて世界にお披露目されたのは、ピクサーが独立企業として産声を上げた1986年のことでした。当時、若きクリエイターだったジョン・ラセター氏らが手掛けたわずか2分ほどの短編映画『ルクソーJr.』がすべての始まりです。本作は、親ライト(ルクソー)と子ライト(ルクソーJr.)が、黄色と青に赤い星が描かれたゴムボール(通称:ピクサーボール / ルクソーボール)を取り合って遊ぶ日常をコミカルかつ情緒豊かに描いた作品でした。
CG技術がまだ「無機質な幾何学模様を動かす実験室のツール」と見なされていた時代に、表情を持たないはずの金属製デスクライトへ生命を吹き込み、見事な感情表現を実現。1986年のSIGGRAPH(世界最大のCG学会)で初公開された際には、会場総立ちの大喝采を浴び、第59回アカデミー賞短編アニメ賞にもノミネートされるという歴史的快挙を成し遂げました。この成功こそが、後に『トイ・ストーリー』へと続くピクサーの礎となったのです。