家庭内で目にするB-CASカードには複数のカラーバリエーションが存在します。色分けはデザインの違いではなく、受信可能な電波の帯域を明確に区別するためのものです。
最も普及しているのが「赤色カード(3波共用カード)」です。地上デジタル、BSデジタル、110度CSデジタルの3つの放送波すべてに対応しており、市販されている一般的な液晶テレビやブルーレイレコーダーの多くに同梱されてきました。一方、「青色カード(地上デジタル専用カード)」は、BSやCSのチューナーを持たない地上波専用の小型テレビやパソコン用チューナーなどに付属しています。青色カードをBS/CS対応機器に挿入しても、地上波以外の電波の暗号を解除することはできません。
また、形状のバリエーションとして、スマートフォンのSIMカードと同等サイズに小型化された「ミニB-CASカード」も存在します。小型ポータブルテレビやカーナビゲーション、超薄型レコーダーなどで広く採用されましたが、内蔵されているICチップの暗号処理機能は標準サイズと同一です。
取り扱いで最も初歩的なトラブルになりやすいのが「カードの挿入向き」です。ICチップとの電気的接触が1ミリでもずれると、機器側はカードを認識できません。
挿入する際は、金色のICチップ端子面が本体側の端子ピンと接触するよう向きを合わせる必要があります。機器の構造により「端子面を正面(手前)に向けるタイプ」「裏面(奥)に向けるタイプ」「上向き・下向き」と仕様が分かれているため、スロット挿入口の周囲に刻印されているカード型のイラスト矢印を必ず目視で確認し、奥まで「カチッ」と感触があるまで押し込むのが鉄則です。