下町の路地裏に響く笛と太鼓の音。神田明神や浅草神社、下谷神社界隈で開かれる伝統の夏祭りは、いまや日本のローカルな行事にとどまらない。東京の観光業を牽引する起爆剤として、かつてない規模の国際色を帯びている。
神輿を担ぐ威勢のいい掛け声に、スマートフォンを構えた欧米やアジアの旅行者たちが歓声を上げる。多言語対応の案内ボランティアが配置され、老舗の屋台にはヴィーガン対応のメニューが並ぶなど、伝統を墨守するだけでなく多様性を受け入れる懐の深さが東京の強みだ。歴史ある路地と最新のインバウンド消費が噛み合い、下町一帯の経済効果はうなぎ登りに跳ね上がっている。