「少しくらいなら甘いクリームをあげても大丈夫だろう」という飼い主の油断には、重大な獣医学的リスクが潜んでいます。スターバックスで使用されているホイップクリームは、単なる純生クリームではありません。豊かな風味と保形性を維持するため、製造過程でバニラシロップ(砂糖・香料)があらかじめ混入されている点が最大の盲点です。
犬は人間と異なり、乳糖を分解する酵素(ラクターゼ)の活性が極めて低い「乳糖不耐症」の個体が多く存在します。高濃度の乳脂肪と糖分を一気に摂取した場合、激しい下痢や嘔吐を引き起こすばかりか、最悪のケースでは激痛を伴い命に関わる「急性膵炎(すいえん)」を発症する危険性があります。特にトイプードルやチワワ、ミニチュアダックスフンドなどの小型犬にとって、エスプレッソカップ1杯分のホイップクリームは致死量になりかねない脂質量です。
上記の数値が示す通り、体重3kg程度の小型犬にとって、スタバのホイップクリームを少量舐める行為は、人間が一度に生クリームのホールケーキを丸呑みするのと同等の脂質負荷を内臓にかけます。「喜んで食べるから」という理由で安易に分け与える行為は、愛犬の寿命を縮めかねない極めて危険な習慣です。