SNS上では「最近のZ世代や20代男性は以前より小さくなっているのではないか」という書き込みが散見されます。単なる都市伝説やノスタルジーに過ぎないと思われがちですが、医学研究および公的データは、この噂が決して根拠のないものではないことを突き止めています。
文部科学省の「学校保健統計調査」や厚生労働省の「国民健康・栄養調査」を紐解くと、日本人平均身長の推移と現在には驚くべき分岐点が存在します。明治末期から戦前にかけて、日本人成人男性の平均身長は160cm前後、女性は148cm前後に過ぎませんでした。しかし戦後の高度経済成長期に伴い、栄養状態の改善と学校給食の普及によって急速に伸長し、1948年から1980年にかけて約10cmも急拡大したのです。
ところが、1978年から1980年生まれをピークに身長の伸びは完全にストップしました。それどころか、1990年代以降に生まれた世代を追跡調査した国立成育医療研究センターの疫学論文では、成人男性の平均が約0.2〜0.5cm程度低下傾向にあるという衝撃的なデータが発表されました。日本人の平均身長低下の真相は、以下の複合的な医療・社会要因によって説明されます。
決定的な要因と指摘されているのが、「低出生体重児(2500g未満で生まれる赤ちゃん)」の急増です。1970年代後半には全出生児の約5.1%だった低出生体重児の割合は、2000年代以降約9.4%へとほぼ倍増しました。背景には、産婦人科医療における妊娠高血圧症候群の予防を目的とした厳格な体重管理指導や、女性たちの間に浸透した「妊娠中も太りたくない」という過度な体型維持志向があります。胎児期に十分な栄養を受け取れずに小さく生まれた子どもは、成人後の最終身長がやや低くなる傾向が医学的に確認されており、これが30年越しに若年層全体の平均値を押し下げているのです。
結果として、日本人の平均身長の世界順位は1980年代の70位台から、現在では世界約110位前後へと相対的に後退しています。他国が成長を続ける中で日本は完全に停滞期に入り、わずかながらダウントレンドを示しているのが冷徹なファクトです。