「正直、ここまで給与テーブルを見直すことになるとは思わなかった」。都内の運送会社役員はそう本音を漏らす。近年の給与改定ラッシュの背景にあるのは、単なる人手不足だけではない。荷主企業との価格交渉が進み、適正な運賃転嫁が実現し始めたことが大きい。
長年、物流現場では「残業代で稼ぐ」という構造が当たり前とされていた。しかし、労働管理の厳格化に伴い、基本給そのものを引き上げなければ優秀な人材が集まらない事態に直面。基本給のベースアップやインセンティブ制度の再設計を進める企業が相次ぎ、結果として未経験者でも初年度から納得のいく収入を得られる環境が整いつつある。