活気にあふれるソウルの広蔵市場。アーケード街の角を曲がると、水槽の中で勢いよく泳ぐ手長タコが目に飛び込んでくる。注文が入ると同時に店主が手際よくタコを引き上げ、包丁で手早く叩く。ごま油と塩、そして香ばしいゴマを振られた皿の上で、切り離されたはずの足は驚くほどの生命力で跳ね回る。
口に入れた瞬間、強力な吸盤が頬の内側に張り付く。一見するとグロテスクに思えるかもしれない。しかし、噛み締めると広がる新鮮な甘みと、ごま油の香ばしい風味が口いっぱいに弾ける。この弾力と歯ごたえこそ、現地でしか味わえない本物の醍醐味だ。