マンションの9階(約26メートル)からの自由落下は、物理計算上、時速約80キロメートル前後で地面に激突することに相当します。一般的に4階以上からの転落は致死率が急激に跳ね上がり、9階からの落下事故における生存率は数パーセント未満と言われるなか、なぜ彼は生き残ることができたのでしょうか。
法医学者や物理学の観点からも、最大の生存要因は「金網フェンスへの接触」と「着地場所が芝生だったこと」の2点に集約されます。直撃したフェンスが大きくグニャリと曲がることで衝突エネルギーの大半を吸収し、落下速度を一気に減速させました。さらに、建物から9メートルも前方に飛び出していたため、直下のコンクリート叩きつけを免れ、柔らかい土と芝生に着地できたことが奇跡的な生還をもたらしました。