キユーピー3分クッキングに2種類ある理由とは?日テレとCbcの真相

キユーピー3分クッキングに2種類ある理由とは?日テレとCbcの真相

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日本全国で同じ番組名として親しまれている「キユーピー3分クッキング」ですが、放送局のクレジットを注意深く見ると、関東圏などでは日本テレビ、東海圏や近畿圏などではCBCテレビと表示されます。単なる地方局へのネット番組の送り出しではなく、企画、スタジオ収録、出演講師、アシスタント、紹介する料理に至るまで、完全に別番組として二重制作されているのです。

この特異な放送形態が生まれた最大の理由は、テレビ放送黎明期における「物理的なインフラの制約」と「スポンサーの先進的な食文化戦略」にありました。意外にも、先に放送を開始したのはキー局の日本テレビではなく、名古屋のCBCテレビでした。CBC版は1962年12月3日にスタートし、そのわずか約1か月半後となる1963年1月21日に日テレ版がスタートしています。

当時、キユーピーの創業者一族や経営陣は、洋風の調味料であるマヨネーズを日本の一般家庭に普及させるため、テレビを通じた「毎日の献立提案」を模索していました。まず中部日本放送でローカル番組として立ち上げたところ、主婦層から熱烈な支持を獲得。すぐさま全国的な展開が検討されましたが、当時の電電公社(現NTT)が管理していたテレビ中継用のマイクロ波幹線は回線数が極めて限られており、東京から地方局へ同時に番組映像を安定供給することが技術的・コスト的に困難でした。

さらに決定打となったのが、「関東と関西・中京で全く異なる出汁(だし)と醤油の食文化」です。当時、東京主導の濃口醤油や関東風の味付けをそのまま中京・西日本に流しても、地元の台所を預かる主婦には受け入れられないという懸念がキユーピー社内にありました。その土地の風土に合った食材の扱い方や味付けを尊重すべく、単一の番組を全国一斉にネット受けさせるのではなく、「中京発」と「東京発」の2系統をそれぞれ発展させるという英断が下されたのです。

田中 結衣
著者

田中 結衣

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。