歴代のNBAシーンにおいて、最もファンの脳裏に焼き付いている「背番号1」の持ち主を1人に絞ることは極めて困難です。なぜなら、この番号を背負ったスターたちは、それぞれ異なる時代においてバスケットボールの常識を覆すプレースタイルを提示してきたからです。
90年代中盤、マイケル・ジョーダンの後継者として世界中の少年少女を魅了したのが、オーランド・マジックのアンファニー・ハーダウェイ(通称ペニー)でした。201cmの長身でありながら、ポイントガードとして変幻自在のパスと華麗なステップを披露したペニーは、ストリートカルチャーやスニーカーブームとも融合し、背番号1のアイコンとしての地位を不動のものにしました。当時の現地メディアや関係者の証言によると、「ペニーの背番号1は単なる番号ではなく、90年代のクールそのものだった」と評されています。
そのペニーの背中を追ってマジックで「1番」を背負ったのが、稀代のスコアリングマシーンであるトレイシー・マグレディ(T-Mac)です。2年連続得点王に輝き、試合終了残り35秒で13得点を挙げて大逆転勝利を収めた伝説のパフォーマンスは、今なおファンの間で語り草となっています。T-Macは自著やインタビューの中で「ペニーへのリスペクトから1番を選んだ。あの番号には特別な魂が宿っている」と語っており、エースナンバーの遺伝子が世代を超えて受け継がれた象徴的な事例と言えます。
そして、2010年代初頭のシカゴに熱狂をもたらしたのがデリック・ローズです。地元シカゴ・ブルズにドラフト1位で入団したローズは、2010-11シーズンに22歳6ヶ月という史上最年少記録でシーズンMVPを獲得しました。爆発的なスピードとアクロバティックなリムアタックで相手守備陣を切り裂く姿は、ジョーダン退団以降のブルズファンにとって唯一無二の希望でした。怪我との壮絶な闘いを経て現役を退いた今も、ローズが背負ったシカゴの「1」は永遠の輝きを放っています。