サリュ閉店ラッシュの真相!ブランド終了説の裏にあるパル経営戦略

サリュ閉店ラッシュの真相!ブランド終了説の裏にあるパル経営戦略

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かつて全国のショッピングモールで勢力を拡大していたサリュが、なぜ急速な店舗縮小へと舵を切らざるを得なくなったのか。その深層には、ライフスタイル雑貨業界を取り巻く複合的な構造変化が存在します。

第一に、原材料価格の急騰と歴史的な円安の直撃です。サリュの代名詞であるブレッドボックスやキャビネット、アンティーク調のアイアン製品などは、木材や金属部材を多く使用しています。これらの多くは海外生産に依存しているため、近年のウッドショックや資材価格の高騰、為替の円安進行によって製造原価が急上昇しました。「手頃な価格で買える本格インテリア」というブランドの根幹価値を維持しようとするほど利幅が削られ、賃料負担の重い実店舗での利益確保が困難になった経緯があります。

第二に、かさばるインテリア雑貨特有の物流コスト・店舗オペレーション負荷です。アパレルや小型アクセサリに比べ、家具や大型バスケットは店舗への輸送効率(容積重量比)が著しく悪く、倉庫からバックヤード、売り場への陳列に至る人件費も跳ね上がります。人手不足が常態化する都市型商業施設において、限られた床面積に対する売上効率(坪効率)の低下が看過できない水準に達していました。

第三に、グループ公式通販サイト「PAL CLOSET(パルクローゼット)」への顧客導線の集中です。パルグループは近年、自社アプリやSNS発信を通じたOMO(オンラインとオフラインの融合)戦略を急速に推し進めてきました。その結果、サリュの熱心なファン層が実店舗からEC購入へと移行し、店頭を「下見の場」として利用するショールーミング化が進行。採算性の低い実店舗を維持する必然性が薄れたという側面があります。

第四に、商業施設におけるテナント契約満了に伴う選択的撤退です。契約更新のタイミングで固定賃料や販売手数料が見直される中、採算ラインに乗らない店舗を無理に継続せず、計画的に閉店・集約させるスクラップ&ビルドが断行されました。

山下 哲也
著者

山下 哲也

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。