分類学的な厳密さを持って語るならば、両者はすべて「フクロウ目(Strigiformes)」に属する同一グループの鳥たちである。英語圏ではいずれも「Owl」と一括りにされ、羽角を持つ種を「Horned Owl」や「Screech Owl」と呼び分けるに過ぎない。つまり、フクロウとミミズクの区分は日本語特有の言語的・文化的な産物だ。
日本の鳥類分類学の礎を築いた鳥類学者・山階芳麿は、形態や鳴き声の精密な記録を通じて日本の鳥類相を体系化した。山階鳥類研究所のアーカイブが示す通り、伝統的な和名の命名基準は分類体系の階層構造ではなく、当時の人々が直感的に捉えた外見的特徴に強く依存していた。この歴史的背景こそが、現代の私たちが覚える「フクロウとミミズクは別種の生き物なのか」という疑問の出発点になっている。