アニメーション制作を手掛けたufotableの手腕は、原作の隙間を埋めるオリジナル描写(アニオリ)において遺憾なく発揮された。原作漫画の『鬼滅の刃 柱稽古編』は比較的コンパクトな修行パートとして描かれていたが、アニメ版では各柱の個性や葛藤、隊士たちとの交流が濃密に肉付けされている。
風柱・不死川実弥と蛇柱・伊黒小芭内の連携稽古や、柱同士の合同訓練シーンは、彼らがなぜ命を賭して戦うのかという内面をより鮮明に描き出した。炭治郎の愚直な前進が周囲の頑なな心を徐々に溶かしていく過程が丁寧に描かれたからこそ、ラストで訪れる破滅的な別れと全面戦争の切迫感が、圧倒的なドラマとして胸に迫る。