教室の黒板からチョークの粉が舞う風景は、いま急速に塗り替えられつつある。文部科学省が推し進める情報化や探究学習の波を受け、高校生が机に向かう環境は激変した。手のひらのスマートフォンを開けば、スタディサプリなどのオンライン講義やYouTube上に無数の解説動画が溢れている。EdTechの進化は、かつて都市部の名門予備校でしか得られなかった高度な解法テクニックを瞬時に全国へ行き渡らせた。
だが、情報の氾濫がそのまま学力の向上に直結しているわけではない。大学入試センターが主導する共通テストや国公立大の2次試験では、表面的なパターン暗記をあざ笑うかのような「本質的理解」を問う出題が急増している。とくに高校数学のカリキュラムにおいて、数式をただなぞるだけの学習者は手痛いしっぺ返しを食らっているのが現状だ。