在宅の限界を悟った家族が直面するのが、「どの施設を選ぶべきか」という分岐点です。特に混同されやすいのが、特養とグループホームの機能差です。
2015年の法改正以降、公的施設である特別養護老人ホーム入所条件は「原則として要介護3以上」に厳格化されました。したがって、要介護3の認定通知書が届いた時点で、特養への申し込み資格を正式に得たことになります。特養は看護師の配置義務があり、寝たきり状態や看取り(ターミナルケア)まで対応できる体制が整っているため、重度化しても住み続けられる点が最大の強みです。
一方、グループホーム入居基準は「要支援2以上の認知症診断を受けた高齢者」であり、少人数のユニットで家事を分担しながら生活リハビリを行います。家庭的で落ち着いた環境を提供できる反面、身体介護度が要介護4〜5へ進行したり、経管栄養などの高度な医療処置が必要になったりした段階で、退去を求められるケースがある点に注意が必要です。
「認知症の行動が目立つが、まだ歩行や身の回りの動作がある程度できる段階」であればグループホームが適しており、「身体的な全面介助が必要で、将来的な看取りまで視野に入れたい」のであれば特養を第一志望に据えるのが、現場における定石の判断基準となります。