木村拓哉と堺雅人の間に「共演NGリストが存在するのではないか」という疑惑が広く報じられた発端は、日刊ゲンダイなどのメディアが報じたキャスティング業界の内幕だった。民放キー局のドラマ制作プロデューサーが作成するキャスティングリストにおいて、2人の名前が同じ企画の候補枠に並ばなくなった現象が、いつしか「NG指定」として独り歩きした経緯がある。
事の真相を探ると、決定打となったのは堺雅人の劇的なステータス上昇だ。2013年に放送されたTBS日曜劇場『半沢直樹』が驚異的な視聴率を叩き出し、社会現象を巻き起こしたことで、堺は木村と並ぶ「作品の成否を一手に背負う絶対的主演俳優」へと登りつめた。芸能ジャーナリストの取材メモによると、当時の民放幹部は次のように漏らしていたという。
「どちらも1本の連ドラで座長を務めるべき破格の存在。同じ作品にキャスティングすれば、どちらをトメ(クレジットの最後)にするのか、ポスターの顔の大きさや宣伝の序列はどうするのかという『看板争い』が必ず発生する。現場が余計な摩擦を恐れ、あらかじめオファーを分けるようになったのが実情だ」
つまり、感情的な対立ではなく、「主役同士のバッティング回避」という制作側の忖度と実務上の制約が、噂の火元となったのである。