正確な培養結果を得るためには、調製工程でのミスを防ぐことが鉄則です。培地の作り方は、粉末培地の秤量・蒸留水への溶解からスタートします。組成に応じてpHを調整した後、培地内に潜む雑菌を完全に死滅させる滅菌工程へと進みます。
滅菌の主流は、高圧蒸気を利用するオートクレーブ滅菌です。一般的には121℃・2気圧(約103kPa)の飽和水蒸気下で15〜20分間加熱処理を行い、耐熱性の高い細菌芽胞まで確実に不活化します。なお、熱に弱いビタミン類や抗生物質を培地に添加する場合は、高圧蒸気を通さず、0.22μmのメンブレンフィルターを用いたろ過滅菌を行ってから無菌的に混ぜ合わせます。
滅菌後の培地分注や植え継ぎ作業では、作業空間に落下菌が入らないようクリーンベンチや安全キャビネット内での無菌操作を徹底します。バーナーの火炎を用いた器具の滅菌や、気流を乱さない手技など、徹底したコンタミネーション対策が培養の成否を分けます。