2018年に放送された『眠狂四郎 The Final』は、田村正和にとって生涯最後の映像出演作となった。約半世紀にわたって演じ続けた当たり役に再び挑むにあたり、彼は老境の肉体を極限まで絞り込み、往年と変わらぬ鋭利な眼光でカメラの前に立った。
劇中で描かれたのは、かつての切れ味を保ちつつも、どこか自らの引き際を悟ったかのような狂四郎の最期の闘いだった。枯淡の境地に達した芝居は、フィクションの枠を超え、ひとりの名優が歩んできた芸道そのものの終焉を告げるかのような凄絶な気迫に満ちていた。
フジテレビが総力を挙げて制作したこのスペシャルドラマは、往年のファンのみならず、リアルタイムを知らない世代の心をも激しく揺さぶり、日本のテレビ史に不滅の金字塔として刻まれている。