最高峰クラスにデビューした当時のクアルタラロは、天性のスピードと感覚でマシンを操る「早熟の天才」だった。しかし、勝利から遠ざかる苦しいシーズンを経験したことで、彼の内面は大きく変貌を遂げた。
現在の彼は、単に速く走るだけでなく、開発の方向性を明確に示す技術的リーダーとしてチームを牽引している。元ドゥカティのマックス・バルトリーニら欧州出身の技術者と日本人の現場スタッフの間に入り、通訳以上の熱量でマシンのフィーリングを伝える。感情を爆発させることが多かった若い頃とは異なり、悔しさを冷静なデータ分析へと昇華させる強靭なメンタリティを手に入れたのだ。