文化庁が実施した調査でも明らかなように、日本人の半数以上がこの言葉の意味を「自分のリスクを冒して大きなリターンを得る」「困難な課題に勇気をもって挑む」と誤解している。
「今回の新プロジェクト、火中の栗を拾う覚悟で挑みます!」
ビジネスの場でこうした発言を胸を張ってする起業家やビジネスパーソンがいるが、これは厳密には完全な言い間違いだ。これでは「他人の儲けのために、自分が勝手に大怪我をしてきます」と宣言しているようなものである。
自らの意志で試練に立ち向かい、見返りを求める行為には「虎穴に入らずんば虎子を得ず」や「背水の陣を敷く」といった別の表現を使うのが正しい。間違えたままビジネス文章や記者会見で使うと、教養を疑われるだけでなく、自身の立ち位置を見誤る危険すら生じる。