通常、生理(月経)は子宮内膜が剥がれ落ち、血液や分泌物とともに体外へ排出される現象です。しかし、時に「経血が薄い」「ピンク色に見える」「水のようにサラサラしている」といった状態が起こります。これには主に3つの生理学的要因が存在します。
第1に、子宮頸管粘液や帯下(おりもの)の分泌過多です。排卵期前後やホルモンの切り替わり時期には水分量の多い粘液が増加します。剥がれ落ちたごく少量の経血が多量の頸管粘液と混ざり合うことで希釈され、視覚的に「薄いピンク色」や「水っぽい質感」として観察されます。
第2に、エストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌低下が挙げられます。エストロゲンは子宮内膜を厚く増殖させる役割を担っていますが、過度なストレスや急激なダイエット、自律神経の乱れによって分泌が滞ると、内膜が十分に育ちません。その結果、剥離する組織自体が極めて少なくなり、本格的な出血に至らず薄い血液が少量滲む程度で終わってしまうのです。
第3に、着床出血をはじめとする妊娠初期の兆候です。受精卵が子宮内膜に着床する際、内膜の血管をわずかに傷つけることで生じる出血は、通常の生理出血とは異なり、ごく薄い色合いで短期間しか続かない特徴を持ちます。