「保冷箱の牛乳が2日分手つかずになっている」——そんな配達員の違和感が、一人暮らしの高齢者の命を救った事例が各地で相次いでいる。行政や警察との連携協定を結ぶ販売店は年々増加しており、日常の配達作業そのものが地域防犯や見守りネットワークとして機能しているのだ。
ドアをノックし、声をかけ、異変があればすぐに連絡を入れる。自治体の福祉予算が逼迫する中、毎日決まった時間に玄関先まで足を運ぶ配達員の眼差しは、カメラやセンサーには真似できない人間ならではの温もりと観察力を備えている。見守り対象は高齢者にとどまらず、共働き世帯の留守宅や子供の通学路の安全にまで広がっている。