東シナ海の荒波と雄大な自然に囲まれた長崎県新上五島町。この地で千年以上受け継がれてきたとされるのが、五島列島の郷土料理・伝統製麺業の精華である手延べうどんだ。遣唐使の寄港地であった歴史的背景から大陸の麺製法が伝来したとも言われ、その歴史の深さは他の追随を許さない。
麺の最大の特徴は、島特産の椿油を表面に塗りながら、丹念によりをかけて引き延ばしていく独自の製法にある。椿油が麺の乾燥を防ぎ、煮崩れしない強靭なコシと、シルクのように艶やかな舌触りを生み出す。細麺でありながら芯に弾力を秘めたその質感は、職人の熟練の技と島の気候風土が奇跡的に結実したものだ。