町の歩みを語る上で避けて通れないのが、明治初期の監獄の歴史だ。1881(明治14)年、この地に設置された「樺戸集治監」は、北海道の道路開削や原生林の開墾を担う拠点として建設された。極寒の地での過酷な労働に身を投じた囚徒たちと、それを率いた初代典獄の月形潔。町の名前そのものが、開拓の礎を築いた月形潔の功績に由来している事実は、全国的にも極めて珍しい。
現在、旧樺戸集治監の本庁舎跡に建てられた月形樺戸博物館を訪れると、当時の厳格な規律や過酷な労役の実態が生々しく伝わってくる。空知総合振興局管内でも屈指の歴史的厚みを誇るこの場所は、単なるノスタルジーではない。近代日本の礎となった汗と涙の記憶を背負いながら、隣接する現在の月形刑務所とともに、矯正行政と共生してきた独特の地域性を形成している。