シャアがガルマを標的とした背景には、血塗られたザビ家への復讐経緯が存在します。シャアの本名はキャスバル・レム・ダイクン。宇宙移民者の自治権確立とニュータイプ思想を提唱したジオン共和国の初代指導者、ジオン・ズム・ダイクンの遺児です。
父ジオンが志半ばで急死(ザビ家による暗殺説が濃厚)した後、ザビ家は権力を掌握し、ダイクン派を徹底的に粛清しました。キャスバルは妹のアルテイシア(セイラ・マス)とともに地球へ逃亡を余儀なくされ、偽名を使い分けながら過酷な逃亡生活を送ることになります。
素性を隠してジオン公国軍に入隊したシャアの目的は、ただ一つ。「父を亡き者にし、宇宙世紀の秩序を歪めたザビ家の血筋を根絶やしにすること」でした。
士官学校時代からガルマの性格を知り尽くしていたシャアにとって、功名心に焦るガルマを陥れることは容易でした。ザビ家の中で最も排除しやすく、かつ家族の精神的支柱であった末子を屠ることで、シャアの復讐劇の歯車は確実に回り始めたのです。