調理直後から食べられる浅漬け状態と、熟成が進んだ状態では全く異なる表情を見せるのも魅力です。調味料と素材を清潔な密閉容器、あるいはチャック付き保存袋に入れて空気を抜いた後の漬け込み時間は、最低でも一晩(約8〜12時間)を要します。スルメが人参の水分と調味液を吸い込み、ふっくらとした弾力を取り戻すのがこのタイミングです。
編集部が福島県内のベテラン主婦や飲食関係者へ実施した取材では、「2日目から4日目が最も味がこなれて美味い」という証言で一致しています。冷蔵庫(5℃以下)で保管した場合の日持ち保存期間は、清潔な箸を使用することを前提として約10日〜2週間が目安となります。日数が経つにつれて人参がしんなりとし、イカの出汁が全体を支配するディープな味わいへと変化します。
一度に大量に作り置きする場合、冷凍保存方法にも工夫が求められます。小分けにしてラップで平らに包み、冷凍用保存袋に入れて急速冷凍することで、約1ヶ月間の保存が可能です。ただし、解凍時に電子レンジで急激に温めると人参の水分が一気に抜け、スポンジ状のスカスカな食感に劣化してしまいます。必ず食べる前日に冷蔵庫へ移して半日かけた自然解凍を行うことが、本場の快感を損なわない必須条件です。