読者のコミュニティやSNS上で長年議論の的となってきたのが、「序盤にあれほど強力だった『概念を奪う能力』が、なぜ物語中盤から終盤にかけてほとんど描写されなくなったのか?」という疑問です。ネット上では「作者が能力を忘れた」「設定変更された」といった俗説が囁かれることもありました。
しかし、物語の文脈とスタンドの構造変化を検証すると、別の論理的な必然性が見えてきます。序盤における「奪う能力」は、記憶を失っていた定助が自身の正体や世界のルールを手探りで奪還していく心理的メタファーでもありました。そして豆銑礼(まめずく らい)の観察によって、「ソフト&ウェットのしゃぼん玉は、実は泡ではなく極細の糸が超高速で回転しているもの」というスタンドの真の構造が解き明かされます。
つまり、能力が消えたのではなく、「概念の強奪」という現象そのものが、糸の超高速回転が引き起こす副産物の一側面に過ぎなかったことが判明したのです。物語の焦点は「物理法則を奪うこと」から「回転の本質を極めること」へと自然にシフトしていったと解釈するのが極めて自然です。