五反田「かね将」はなぜ連日満席か?名物牛すじトマト煮と攻略の真髄

五反田「かね将」はなぜ連日満席か?名物牛すじトマト煮と攻略の真髄

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オフィスビルが林立し、ITベンチャーから老舗企業までがひしめく五反田の街で、夕方16時を過ぎると吸い寄せられるように人が集まる場所がある。「焼きとん酒場 かね将(東京都品川区西五反田2-6-1 石塚ビル1F)」だ。都営浅草線五反田駅から徒歩2分、JR山手線五反田駅西口からも徒歩3分という抜群の立地にありながら、店構えは昭和の大衆文化を色濃く残している。連日満席を生み出す背景には、計算し尽くされた3つの引力がある。

第1の引力は、圧倒的なコストパフォーマンスと職人の手仕事にある。近年、飲食業界全体で原材料費や人件費の高騰が続く中、かね将の看板である「やきとん」は1本120円(税抜)前後の価格帯を維持し、ポーションも大ぶりで食べ応え十分。炭火で香ばしく焼き上げられるモツは鮮度抜群で、仕込みの丁寧さがひと口目で伝わってくる。

第2の引力は、大衆酒場の枠を超えた独創的な料理展開だ。定番の煮込みや刺身だけでなく、洋の要素を取り入れた名物料理が吞兵衛の好奇心を刺激してやまない。「大衆酒場=古臭い料理」という固定観念を軽やかに覆すメニュー構成が、ベテランの常連客だけでなく、20代〜30代の若い世代や女性客をも惹きつけて離さない要因となっている。

そして第3の引力が、約60席のフロア全体に満ちる独特の一体感と活気だ。カウンター越しに飛び交うスタッフの威勢のいい声、隣席と肩が触れ合いそうな絶妙な距離感、そして誰もが肩書を脱ぎ捨ててグラスを傾ける解放感。単に飲食を提供する場所ではなく、張り詰めた日常の緊張を解きほぐす場として機能している。

加藤 愛美
著者

加藤 愛美

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。