保育現場において父の日(あるいはファミリーデー)の製作を実施する際、保育士の間で常に議論となるのが「子どもの主体性」と「完成度」のバランスです。保育所保育指針に掲げられる「表現」の領域を尊重すれば、子どもの自由な表現を活かさなければなりません。しかし、あまりに手を加えないと実用品として成立しなくなります。
都内の認可保育園で主任保育士を務める関係者は、近年の指導方法についてこう語ります。「昔のように保育士が下準備の9割を済ませ、子どもには顔を描かせるだけというやり方は見直されています。現在の主流は、素材選びの段階で実用性を担保し、装飾のプロセスで子どもの個性を100%爆発させる手法です」。
例えば、市販の丈夫な布製エコバッグを用意し、子どもたちには「野菜スタンプ(オクラやレンコン)」を自由に押してもらうワークショップ形式です。スタンプの配置や配色は園児の感性に委ねられますが、ベースが既製品のキャンバス地であるため、スーパーの買い物袋として年単位で使えます。子どもの自己肯定感を満たしつつ、実用上の耐久性をクリアする保育計画が全国の現場で定着しつつあります。