現場での混乱に拍車をかけているのが、類似した言葉「お目にかなう」との混交です。両者の認知度に関して、客観的な証拠となる公的データが存在します。
文化庁が実施した「国語に関する世論調査」の公式発表資料によると、本来の言い方である「お眼鏡にかなう」を使う人が45.1パーセントにとどまる一方、本来の言い方ではない「お目にかなう」を使う人が39.5パーセントに達している事実が判明しています。実に4割近い国民が、誤った派生表現を違和感なく受容している実情が浮き彫りになりました。
「お目にかなう」という言い回しは、「お目に留まる(気に留めてもらう)」や「お気に召す(好みに合う)」といった類似の敬語表現と頭の中で混ざり合った結果、自然発生的に広まった俗用と推測されます。国語施策上は誤用と位置づけられているため、公式な挨拶文やプレスリリース、社外向けの書簡では本来の表現を徹底するのが基本作法です。