魔貫光殺砲が読者に与えた最大の衝撃は、その桁外れの攻撃倍率と貫通力の真相にあります。サイヤ人編におけるラディッツ戦のスカウター数値は、当時のパワーバランスを語る上で決定的な証拠として記録されています。
平常時のピッコロの戦闘力は、重い道着を脱いだ状態で408でした。しかし、額の前に指を構えて全身の気を凝縮し始めると、スカウターの数値は1330まで跳ね上がります。これは自身の基礎戦闘力の3倍以上に相当し、スカウターの故障を疑ったラディッツを本気で狼狽させました。1発目は間一髪でかわされたものの、背後の巨大な岩山を軽々とくり抜き、地形を削り取る凄まじい威力を誇示。さらに2発目では、悟空が命懸けでラディッツを羽交い締めにする中、気は1480に達し、サイヤ人の強靭な肉体装甲と戦闘ジャケットを易々と貫通し、悟空もろとも致命傷を負わせました。
しかし、この圧倒的な魔貫光殺砲の威力には、極めて深刻な代償が存在していました。それが溜め時間の長さです。指先に全身のエネルギーを限界まで凝縮させるプロセスには長時間の集中を要し、その間ピッコロは完全に無防備となります。悟空が体を張ってラディッツを引き付けなければ成立しなかった事実が示す通り、戦術的には「味方の拘束アシスト」が前提となるリスキーな技でした。