「整理番号が後ろの方でもアーティストの姿をしっかり見たい」というのは、すべてのオーディエンスに共通する切実な願いです。仙台市内の主要ライブハウスをステージ高、フロアの傾斜・段差構造、柱などの死角の有無から徹底的に検証したところ、明確な序列が浮かび上がってきました。
視界の抜け感において圧倒的な完成度を誇るのが仙台GIGSです。2017年の開業当初から「スタンディング時でも後方から見やすい構造」を掲げて設計された同会場は、フロア後方にしっかりとした段差が設けられており、前列の観客の頭で視界が完全に遮られるストレスが極めて少ない設計になっています。ステージ高も約1.2メートル確保されているため、スタンディングエリアの後方に位置取ってもパフォーマンスの全貌を捉えられます。
一方、ステージ幅の広さと横方向の視界の抜けで高評価を得ているのが仙台PITです。収容人数1,400人規模を誇る同会場は、縦長になりがちな大型ライブハウスと異なり、フロアの横幅がしっかりと取られています。これにより、最前列付近から中盤エリアまでアーティストとの心理的・物理的距離が非常に近く感じられます。最前列のバーからステージまでの距離もタイトに設計されており、最前列を確保できた際の迫力と見え方は東北随一と言っても過言ではありません。
中規模会場(キャパ300〜700人規模)に目を向けると、仙台Rensaと仙台darwinで見え方の性質が大きく分かれます。仙台Rensaはフロア中ほどに段差が1段入っており、段差上の最前列をキープできれば非常にクリアな視界が手に入ります。ただし、フロア内に太い支柱が存在するため、整理番号順での入場時に立ち位置を誤ると「演奏中にボーカルが柱の陰に隠れて見えない」という事態に陥りかねません。仙台darwinはキャパ約360人クラスながら天井が高く、ステージ高も適度にあるため、フロアの後方からでも比較的視界が良好に保たれます。