かつて島を覆っていたのは、世界最大級のヤシである「パスクアロコヤシ(Paschalococos disperta)」でした。幹の太さは1メートルを超え、島全体で1600万本以上が生育していたと推計されています。この巨大な木々が絶滅に至った最大のトリガーとして注目されているのが、初期の入植者がカヌーで持ち込んだ「ポリネシアネズミ」の存在です。
島内の洞窟や遺跡から発掘されたヤシの種子の化石を顕微鏡で調査したところ、90%以上のナッツにネズミがかじった痕跡が残されていました。天敵のいない孤島でネズミは爆発的に繁殖し、数百万匹規模に達したと考えられています。
樹木を伐採したとしても、通常であれば落ちた種から新たな芽が育ちます。しかし、芽吹く前の種子が徹底的に食い荒らされたことで森林の世代交代が完全に断たれ、ヤシの木は再生能力を奪われて絶滅へと向かいました。