不特定多数の人が裸で入る発酵槽に対して、「衛生面で雑菌が繁殖していないのか」と不安を抱く読者は多いはずです。これに対する科学的な結論は、「適切な維持管理が行われている店舗であれば衛生上の安全性は極めて高いが、管理不足の店舗はリスクが残る」となります。
自然発酵熱によって浴槽の深部は60〜70℃以上の高温に維持されます。病原性大腸菌(O-157など)や黄色ブドウ球菌、レジオネラ属菌といった一般的な病原菌は、60℃以上の熱環境下では死滅または増殖できません。つまり、適正に発酵している酵素風呂は、薬剤を使わない「自己殺菌環境」が保たれています。
しかし、問題となるのは以下の条件下です。
- 毎日の天地返し(槽をかき混ぜて酸素を送り込む作業)が不十分で、発酵熱が50℃未満に落ちている。
- 汗を吸い込んだマットやタオルの消毒・交換が徹底されていない。
- 利用者の退出後に十分な発酵インターバルを置かず、熱が下がりきった状態で次の客を入れている。
衛生管理を信頼できる店舗か見極めるためには、入浴前に「槽の深部温度を明示しているか」「独特の腐敗臭(発酵臭とは異なる生臭さや酸鼻を突く悪臭)がしないか」を厳格にチェックすることが自衛策となります。