SNSや掲示板でクリムト展のネットの反応や口コミを分析すると、熱狂的な絶賛が大多数を占める一方で、一部に落胆の声が混ざっていることが分かります。その原因の多くは、事前の情報不足や展示内容に対する先入観に起因するものです。
寄せられているクリムト展の評判と感想から、事前に把握しておくべき3つの盲点を整理しました。
第1の誤解は、「黄金期の大型油彩画ばかりが数十点並んでいる」という思い込みです。クリムトの油彩画は世界各国の美術館が厳重に管理しており、一度に大量の貸出を受けることは国際的にも極めて困難です。今回の展示構成は、ウィーン分離派の僚友たちの作品や下絵、素描を通じて「いかにして黄金様式が完成したのか」という思考のプロセスを紐解く学術的価値の高い構成となっています。華麗な完成作だけを期待していくと、モノクロのドローイング群の多さに肩透かしを食らう可能性があります。
第2の注意点は、写真撮影エリアの制限です。「SNS映え」を期待する声が多いものの、作品保護や著作隣接権、所蔵館の契約上の規定により、撮影可能なエリアは「特定のフォトスポット」や「指定された数点のみ」に厳密に限られています。監視員の指示に従わないトラブルも報告されているため、ルールを事前に弁えておくことが求められます。