ギフト市場の動向や母世代へのヒアリング調査を分析すると、高価なブランド品や花束以上に、手書きのメッセージが長期的な幸福感をもたらしている実態が浮かび上がってきます。
大手ギフト販売事業者が実施した意識調査データによると、母の日に贈られて嬉しかったものとして「メッセージカード・手紙」を挙げた母親は全体の約74%にのぼり、「物よりも手紙を大事に箱にしまって読み返している」という回答が多数を占めました。SNSやインターネット掲示板に投稿された母親たちの生の声を見ても、その傾向は顕著です。
「娘から十数年ぶりに届いた手書きの手紙には、子育て中に衝突したことへの感謝が書かれていて涙が止まらなかった」(50代・実母の手記より)
「お嫁さんから『お母さんの手料理を〇〇さんがいつも懐かしそうに話しています』と書かれたカードが添えられており、我が子の健やかな暮らしが見えて胸が温かくなった」(60代・義母の声より)
一方で、メッセージアプリでの「母の日おめでとう」というスタンプ1つに対しては、「手軽すぎて少し寂しい」「既読確認の事務作業のように感じる」という複雑な本音も散見されます。デジタル化が極限まで進んだからこそ、便箋を開き、直筆の筆跡を目にするというフィジカルな体験そのものが、何物にも代えがたい愛情の証として機能しています。