まず金融業界の大原則として整理すべきは、「審査なしで100%誰でも作れる通常のクレジットカード」は日本の法制度上、絶対に存在しないという事実です。貸金業法および割賦販売法に基づき、カード発行会社には申込者の返済能力を調査する義務が課されているためです。したがって、SNSなどで見かける「ブラック確定でも審査フリー」と謳う宣伝は、違法なヤミ金融や個人情報を詐取するフィッシング詐欺である可能性が極めて高く、細心の注意を払わなければなりません。
では、なぜ「ブラックでも作れるカードがある」という情報が実しやかに語り継がれ、実際に発行できた利用者が存在するのでしょうか。その背景には、ブラックリスト登録の理由と真相に対する誤解と、各カード会社が採用している審査システムの構造的な違いがあります。
公的な機関に「ブラックリスト」という名称の名簿が存在するわけではありません。一般的にブラックと呼ばれる状態は、個人信用情報機関(CIC、JICC、KSC)の記録において、支払期日から61日以上または3ヶ月以上の延滞、破産手続開始決定、任意整理、個人再生などの事実が記録される「異動情報」が登録されている状態を指します。この異動情報が一度記録されると、完済または免責から最長5年間(KSCの一部官報情報は最長7年間)にわたり保持されます。
一般的な大手カード会社(銀行系や一部の信販系)では、コンピュータによるスコアリング審査(自動審査)を導入しており、CICに「異動」の文字が確認された瞬間に機械的に審査落ちとなるシステムが組まれています。しかし、すべてのカード会社が過去の履歴だけで判断しているわけではありません。ここに、金融ブラックでも作れる理由が存在します。
カード会社の中には、機械的な自動審査に頼らず、現在の就労状況や現在の収入、住居形態などを人間が精査する「独自審査」を行う企業が存在します。さらに、事前に利用枠と同額の保証金を預けることで未払いリスクを物理的にゼロにする「デポジット型」という画期的な仕組みが登場したことで、過去に金融事故を起こした人であっても合法的にクレジットカードを保有できる環境が整いました。