マグロを丸ごと1本手に入れた場合、どれほどの人数で消費できるのでしょうか。ここで決定的な要素となるのが「歩留まり(ぶどまり)」です。
魚屋や水産加工の現場において、マグロの歩留まり率は概ね55〜60%とされています。巨大な頭部、硬いエラやエラ蓋、太い中骨、皮、内臓などの非可食部(アラ)が全体の約40〜45%を占めるためです。
一般的な成人の1食あたり刺身消費量を約100g(およそ6〜7切れ)として試算したマグロ一匹何人前の具体的な基準は以下の通りです。
- 天然本マグロ(150kg):可食部は約90kg。刺身換算で約900〜1,000人前。
- 養殖本マグロ(50kg):可食部は約30kg。刺身換算で約300人前。
- メバチマグロ(35kg):可食部は約20kg。刺身換算で約200人前。
さらに部位ごとの内訳を見ると、本マグロの場合は赤身が全体の約50〜60%、中トロが約30〜35%、大トロはわずか10〜15%程度しか取れません。脳天(ツノトロ)、ホホ肉、カマ、カマトロといった希少部位は1尾からごくわずかしか採取できないため、丸ごと解体するからこそ味わえる特権と言えます。