GKNドライブラインジャパンの根幹を理解するうえで外せないのが、その類まれな企業変遷です。同社の母体は、かつて日産自動車系として名を馳せた駆動系部品の名門・栃木富士産業に遡ります。2000年代初頭に英国の老舗エンジニアリング大手GKN社が資本参加し、TOB(株式公開買付)を経て完全子会社化されたことで、現在の体制が築かれました。
現在展開している事業内容は、自動車の車輪に動力を滑らかに伝達する等速ジョイント(CVJ: Constant Velocity Joint)やドライブシャフト、さらには車両のトラクションを高度に制御するディファレンシャルギア、LSD、電磁クラッチをはじめとする四輪駆動システムの開発・製造です。これらの基幹部品は、トヨタ、日産、ホンダ、スバル、マツダ、三菱といった国内主要メーカーのみならず、欧米の完成車メーカーにも幅広く供給されています。
企業統治の面では、度重なるグローバル再編を経験してきました。英GKNが投資会社メローズ(Melrose Industries)による敵対的買収を受けた後、2023年に自動車・粉末冶金部門が分離独立し、ロンドン証券取引所に上場するDowlais Group plc(ダウライス・グループ)が発足しました。現在、GKNドライブラインジャパンの親会社はこのダウライスであり、名実ともにグローバルTier1の重要拠点として位置づけられています。GKNドライブラインジャパン ニュースとして報じられる事業提携や電動駆動ユニット(eDrive)の開発投資も、この親会社による強固なグローバル資本と戦略的ポートフォリオの下で推進されています。