炊飯器を清潔に保とうとする熱心な行動が、皮肉にも製品寿命を急激に短縮させているケースが後を絶ちません。最たる例が、食器洗い乾燥機への投入です。多くのメーカー関係者が炊飯器食洗機NGの理由として挙げるのは、「アルカリ性洗剤の強力な化学反応」「70℃〜80℃の温風と高圧水流による摩擦」「急激な加熱冷却に伴う金属の膨張収縮」の3点です。これらが重なることで、わずか20〜30マイクロメートルほどの極薄フッ素樹脂加工が一気に浮き上がり、目に見える剥離へと直結します。
日々の台所仕事で特に意識したいのが、炊飯器内釜コーティング剥がれ防止の観点です。研磨剤入りのクレンザーやメラミンスポンジ、硬いナイロンたわしを使用するのは論外ですが、見落としがちなのが「内釜の食器カゴ代用」です。食べ終わった後の茶碗やスプーン、フォークを内釜の中にためて水に浸けておくと、食器同士の接触面で微小な点状傷(ピンホール)が生じます。そこから水分や調味料の塩分が浸透し、下地金属の腐食とコーティングの浮き上がりが進行するのです。
さらに、保温を切った後の冷え切った内釜をそのまま冷蔵庫へ入れ、翌朝電子レンジのように直接直火にかけたり、急冷・急加熱を繰り返す行為も金属疲労を招きます。内釜を守る基本は、あくまで「人肌程度のぬるま湯」と「研磨剤を含まない柔らかいスポンジ」でのソフトな洗浄です。