兵庫県宍粟市波賀町と鳥取県八頭郡若桜町を隔てる戸倉峠周辺の路面は、冬季に入ると平野部の感覚を一切受け付けない過酷な環境へと変貌します。「麓の姫路市街地や山崎町では冷たい小雨が降っている程度だったため、そのまま走行を続けていたら、引原ダムを過ぎたあたりから急激に猛吹雪となり、新戸倉トンネル手前で完全に路面が凍結していた」という事例は後を絶ちません。国道29号線路面状況現在の推移を追う際、最も注視すべきは標高の急変に伴う「降雨から降雪への相転移」です。
峠一帯で大雪警報が発令されると、国道29号線積雪情報2026年最新データでも確認できるように、短時間で30センチメートル以上の局地的なドカ雪が降り積もることが珍しくありません。路面に積雪が圧縮されて形成される圧雪アイスバーンは、大型トラックであっても登坂不能(スタック)を引き起こします。1台のスタック車両が発生した瞬間に後続車が数キロにわたって数時間拘束される「大規模立ち往生」の引き金となるため、道路管理者は早期に国道29号線通行止め情報を発令し、予防的な交通遮断に踏み切る運用が定着しています。
特に危険なのが、新戸倉トンネルの出入口付近です。トンネル内部の乾燥した路面から一歩外へ出た瞬間、氷点下の風が吹き抜けるツルツルの氷盤路面へダイブすることになります。トンネル内外の摩擦係数のギャップはドライバーのステアリング操作を無力化し、毎年深刻な衝突事故を誘発しています。走行前の国道29号線戸倉峠ライブカメラの確認は、まさに生死を分ける情報収集と言えます。