一方で、骨端線が閉鎖しきっていない中学生や高校生であれば、生活習慣と栄養管理の徹底によって最終身長を5〜10センチ押し上げる勝機が残されています。高校生の身長を10cm伸ばす理由として決定的なのが、思春期成長スパートの残余期間をいかに活かし切るかという点です。
成長期において体が急速に伸びる時期には、明確な身体的サインが現れます。成長期に身長が伸びる前兆としては、急激な足のサイズの拡大、膝や踵周囲の成長痛、声変わり、体毛の発生といった第二次性徴が挙げられます。注意すべきは、思春期症状が進行しきると骨端線の閉鎖が目前に迫るという事実です。男子の場合、声変わりが完了してから骨端線が閉じるまでの猶予期間はおよそ2年〜2年半とされています。
このラストスパート期間に決定打となるのが、成長ホルモン分泌と睡眠時間の厳格なマネジメントです。成長ホルモンは、入眠後約90分以内に訪れる徐波睡眠(深いノンレム睡眠)のステージで1日の総分泌量の大部分が放出されます。厚生労働省の健康づくりのための睡眠ガイドラインでも指摘されている通り、成長期における7〜9時間の質の高い睡眠の確保は、単なる休息ではなく骨の縦方向への成長を駆動させる必須プロトコルです。夜更かしや就寝直前のスマートフォンのブルーライト曝露は、メラトニン分泌を抑制し、成長ホルモンのパルス状分泌を著しく阻害します。